栄養たっぷりの野菜を食べさせたい!栄養価をなるべく保つ、食材別保存法は?
食事の準備のために、毎日買い物に行くのは大変ですね。休日にある程度まとめ買いしたり、安いときにまとめて買ったりするご家庭も多いことでしょう。とはいえ、すぐに使わなければ、野菜の鮮度や栄養価は落ちてしまいます。
もちろん、買ってすぐ使うのがベスト。でも、効率やコストを考えれば、まとめ買いもする……。まとめ買いした野菜の栄養価をなるべく長く保つには、どうすればいいのでしょうか?野菜の種類別&食材別に、オススメの保存法を調べました。
基本的な考え方は、「野菜への負担をなるべく減らす」!
スーパーマーケットによっては、「月曜は野菜の日」「火曜はお魚の日」などと、曜日ごとにお買い得商品を決めている店もあります。なるべく家計にやさしい買い物をするためにも、買い物の手間を減らすためにも、野菜のまとめ買いをすることも多いですよね。
野菜は、収穫後も生命活動を続けていて、自分が持っている栄養を使いながら成長します。つまり、「野菜の栄養価は、収穫した瞬間から減っていってしまう」のです。ただし、野菜の保存方法を工夫することで、減少のスピードを落とすことができます。栄養価の高い野菜を食べさせてあげるためには、適切な保存方法を知っておきたいものですね!
野菜の栄養価をなるべく長く保つには、どうすればいいのでしょうか?その考え方の基本となるのが、「野菜への負担をなるべく減らしてあげる」ということです。
たとえば、葉物野菜が育つ光景を思い浮かべてください。「立った状態」で育ちますよね。葉物野菜にとって負担が少ないのは、横向きではなく「縦向き」ということ。冷蔵庫の中でも、ごろんと寝かせるのではなく、立てて保管してあげましょう。水気の多い葉物野菜は、濡れた新聞紙などでくるみ、常に水分が補給できる環境を整えてあげることも大切です。
他の例として、じゃがいもを考えてみましょう。じゃがいもは、土の中で育ちます。土の中は光が当たらない場所。ですから、太陽の光をどんどん当てては、じゃがいもにとっては負担になります。光が当たらない日陰で保管してあげてくださいね。
よく使う野菜、それぞれの保存方法を紹介!
野菜の栄養をなるべく逃がさないための、基本的な考え方をお伝えしました。次に、ご家庭でよく使われる野菜をいくつかピックアップして、詳しく見てみましょう。
>>1:ニンジン
カレーや炒め物、スープやサラダなど、何かと活躍してくれるニンジン。「日持ちするから」と特売のときに買っていたら、いつの間にか冷蔵庫でしなびていた経験をお持ちの方も多いのでは?
土の中で育つニンジンは、高温と湿気が苦手です。水分をしっかり拭き取った上で、野菜室で保存しましょう。蒸れて水滴がつくのを避けるために、水分を吸収してくれる新聞紙などで包むとベター。育つときと同じ状態を保てるよう、できれば立ててあげましょう。
たまに、葉付きニンジンも売られていますね。葉がついたままだと栄養がとられてしまうので、保存する前に切り離しましょう。ただし、葉の有効活用もお忘れなく!ニンジンの葉には根の部分と同じく、ビタミンA(カロテン)やビタミンCが豊富に含まれています。なんと、ビタミンAは根のおよそ2倍、ビタミンCは100グラム中150ミリグラムと、根よりも多く含まれているそうです。
やや苦みがありますが、天ぷらにすると食べやすくなります。また、子供が好きな鮭と合わせれば、カラフルな混ぜごはんになりますよ。
>>2:大根
大根もニンジンと同じく、野菜室や冷蔵庫の中に定番で入っている野菜の一つですね。つい寝かせて野菜室に入れたくなりますが、栄養を保つためには、なるべく畑と同じ状態を保つことが大事。できる限り、立てた状態で保存するようにしましょう。
大根は、水分たっぷりの野菜です。文部科学省が発行している「五訂日本食品標準成分表」によれば、なんと「94.6%が水分」なんだとか!負担をかけないためには、なるべく水分を保ってあげることが必要ですね。
そのためにはまず、水分や養分を吸い上げてしまう葉を切り、別々で保管するようにしましょう。大根葉はカロテンやビタミンCを豊富に含む「緑黄色野菜」。カルシウム豊富なじゃこと炒めれば、ごはんと合う一品になります。味噌汁の具にしてもいいですね。
また、水分は切り口からも蒸発します。ラップや湿らせた新聞紙などで切り口をくるんであげましょう。
>>3:アスパラガス
お弁当の彩りに活躍してくれるアスパラガス。たんぱく質の合成を助け、名前の由来にもなっているアミノ酸の一種「アスパラギン酸」を含んでいます。
アスパラも、縦に伸びる野菜。寝かせて保存すると、穂先が起き上がろうとしてエネルギーを消費してしまいます。野菜室で保存するときは、ビニール袋などに入れて立てて保存しましょう。
もしくは、購入後すぐに茹でて生育を止め、冷凍しておくのもオススメ。茹でる手間がなく肉巻きにも使えるので、お弁当作りに活躍します。
>>4:きのこ類
低カロリーで、食物繊維やビタミンD、ミネラルも豊富に含むきのこ類。専用工場で計画生産されるため、一年を通して、比較的価格も安定しています。和洋中と、味付けのバリエーションも多いため、毎日のおかずやお弁当でも活躍してくれますね。
きのこは、意外と水分を多く含む野菜。前述の「五訂日本食品標準成分表」によれば、しめじやまいたけ、しめじだけ、エリンギなど、多くのきのこ類は、約90%が水分です。
意外と水分を含むきのこ類ですが、保存時に水分があると、鮮度が落ちやすくなります。袋に入ったままだと湿気がたまりやすくなるため、袋から取り出して保存した方がベター。新聞紙やキッチンペーパーで包み、ビニル袋などに入れておきましょう。
なお、きのこ類は、実は「冷凍保存」にも向いた野菜です。冷凍することで、きのこの中にある豊富な水分が氷の結晶となり、細胞壁を壊します。その結果、細胞の中にある旨み成分や栄養素が溶け出しやすい状態に。きのこ類においては、冷凍保存は栄養面から見ても優れた方法なのです。
冷凍するなら、しめじやシイタケ、まいたけなどをセットにして、一回ごとの量にしておくと便利ですね。簡単にきのこごはんが作れますし、きのこたっぷりの味噌汁も作れますよ。
>>5:ほうれん草
緑黄色野菜の代表格でもあり、年間通してスーパーマーケットで手に入るほうれん草。カロテンやビタミンCなどのビタミンはもちろんのこと、鉄分も豊富に含まれています。成長期の子供に、しっかりと食べさせたい野菜の一つです。
水で洗ってもビタミンが溶け出すぐらいデリケートな野菜ですから、買ってきたら、なるべく早く食べたいもの。何日か置いておくなら、できるだけ畑での状態を再現するため、立てて保存してあげましょう。もちろん、「茎を下、葉を上」にしてくださいね。
さらに先まで使わないなら、買ってきたら即、まとめて茹でてしまうのも一つの手。かたく絞って適当な長さに切り、一回ごとの小分けに。ラップで包んで、冷凍保存しておきましょう。下ごしらえの手間が省けるので、ほうれん草入りの卵焼きも簡単に作れます。脂溶性ビタミンのカロテンが含まれているので、さっと炒めることで、栄養も効率的に摂取できますよ。
子供の身体をつくるのは、「口から入ったものだけ」です!
栄養価を保つための保存方法を、基本的な考え方を伝えた上で、食材別に解説しました。「これまで間違った方法で保管していた!」という方は、早速今日から実践してくださいね。
野菜の栄養素をしっかり摂るには、もちろん「新鮮なものを、なるべく早く食べる」というのが鉄則です。とはいえ、まとめ買いをしたり家族の食事の予定が変わって野菜が余ったりして、「すぐに使わない野菜」もあるでしょう。そんな場合は、今回紹介した保存方法を心がけましょう。
「それでも栄養不足が不安!」という場合は、ビタミンやミネラルを豊富に含む総合栄養タイプのサプリメントを足すといいかもしれませんね。大事な子供の身体をつくるのは、口から入ったものだけ。お母さんが、しっかり栄養管理してあげましょう。
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