育ち盛りの身体が喜ぶ!成長期の子供に食べさせたい栄養素と野菜とは?
成長期の子供がすくすく育つには、骨をつくるたんぱく質や、骨を強くするカルシウムの他、身体の調子を整えるビタミンやミネラルも欠かせません。特に意識したい栄養素は何でしょうか?また、その栄養を摂取するには、どの野菜を食べるといいのでしょうか?
成長期の子供がいるお母さんにぜひ知っておいていただきたい、「成長期に意識して摂るべき栄養素&野菜」についてまとめました。
成長期には、ビタミン・ミネラルをしっかり摂ろう!
人間の身体は、口から入れたものでしか作られません。成長期は特に、骨や筋肉をつくるたんぱく質をしっかり摂りましょう。
ただし、栄養素は相互に働き合って、初めてその力を発揮するもの。野菜に含まれるビタミンやミネラルも摂らなければ、成長に支障が出る恐れがあります。野菜豊富なおかずで、ビタミンやミネラルを摂らせてあげてくださいね。
では、成長期にはどのような栄養が必要なのでしょうか?それぞれ栄養を豊富に含む野菜と一緒にチェックしてみましょう。
成長期に欠かせないビタミンとは?
>>ビタミンA(βカロテン)…にんじん・かぼちゃ・ほうれん草など
成長期にしっかり摂りたいビタミンの一つ目は、「ビタミンA」です。
ビタミンAは、眼の網膜にある「見る」ための神経伝達物質に不可欠な栄養素。不足すると、暗い場所で目が見えなくなる「夜盲症」(鳥目:とりめ)を発症する恐れが。夜道でつまづいたり、電柱にぶつかったりと危険です。
夜盲症は遺伝による先天的なものもありますが、後天的なものは、ビタミンA不足が主な原因。先進国では、夜盲症になるほどの深刻なビタミンA不足は少ないそうですが、ビタミンA不足はドライアイや視力低下にもつながるため、注意が必要です。
現代っ子たちは、長時間テレビやスマートフォンを見ることで、目を酷使しがち。成長期は視力が低下しやすく、進行も早い時期。メガネやコンタクトレンズの矯正に頼ってしまうと、目と脳はレンズに頼り、さらに視力低下が進むことになります。目を適度に休ませつつ、ビタミンAをしっかりと摂らせてあげましょう。
ビタミンAを多く含むのは、ニンジンやカボチャ、ほうれん草など。脂溶性ビタミンですから、油で調理することで栄養素が溶け出し、効率よく摂取することができます。野菜炒めなら、手軽につくれて便利ですね。
>>ビタミンC…キャベツ・ピーマン・ゴーヤなど
次に注目したいのが、おなじみの「ビタミンC」です。
お母さんにとっては、「美白」「美肌」などのイメージが強い栄養素かもしれませんね。ビタミンCは、腱や軟骨、皮膚を構成するコラーゲンの生成にも関わっています。さらには、鉄分の吸収にも不可欠な栄養素。鉄分を多く必要とする成長期に、併せて摂らせてあげたい栄養素です。
またビタミンCは、体内でウィルスや病原菌と戦う白血球の機能を高めるため、風邪などの予防効果も期待できます。成長期は、部活動の試合や、受験のための模擬試験など、「風邪を引くわけにはいかない場面」がたくさんあります。普段からビタミンCを摂取して、「風邪に負けない身体」をつくってあげてくださいね。
ビタミンCは、キャベツやピーマン、ゴーヤをはじめ、多くの野菜に含まれます。ただし、熱や酸素、水に弱いのが難点。時間が経つと失われてしまうため、摂りだめもできません。毎食少しずつ、こまめに補給する方がいいでしょう。野菜が少なめの食事なら、サプリメントで栄養を補うのも一つの手ですね。
>>ビタミンD…しいたけ・きくらげなど
続いては、ビタミンDについて。ビタミンDは、吸収率の低いカルシウムのサポート役として働き、骨と歯の成長に役立ちます。
太陽に含まれる紫外線によって生成されるため、天日干しにした野菜に多く含まれるのが特徴。干ししいたけや干しきくらげに多く含まれています。市販の干ししいたけなどを使うときは、ぜひ調理前に天日干しを。2時間ほど干すだけでも、ビタミンD量がアップしますよ。
成長期に欠かせないミネラルとは?
続いて、成長期に欠かせないミネラルをチェックしてみましょう。
>>鉄分…ほうれん草・小松菜・大豆など
身体がぐっと大きくなる成長期、身体は大量の鉄分を必要とします。
成長期は、鉄分供給が追い付かずに「鉄欠乏性貧血」が増える時期。特に女の子は初潮が始まる時期とも重なるため、鉄分の必要量がさらに増します。ダイエットや偏った食事は、さらに貧血を引き起こす原因になりますから、注意しましょう。
その他、「牛乳貧血」といって、長期にわたって牛乳を大量に飲みすぎることで、貧血の症状が起きることもあります。牛乳だけで満腹になってしまうなどの食事の偏りも考えられますし、牛乳アレルギーによる蛋白漏出性胃腸症(たんぱくろうしゅつせいいちょうしょう)による鉄吸収不全の可能性もあります。なお、この場合はむくみを伴うのが特徴ですから、気になる場合はかかりつけの小児科で相談してみてください。
「ところで、鉄分を摂るならレバーがいいのでは?」と思うかもしれませんね。
鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の二種類があります。ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に含まれ、非ヘム鉄は野菜や海藻などの植物性食品に主に含まれています。
ヘム鉄のほうが吸収率は高いのですが、動物性の食材のため、摂りすぎはカロリーオーバーにつながってしまいます。野菜に含まれる非ヘム鉄もうまく活用しましょう。なお、食物繊維やお茶の渋(タンニン)、カルシウムと一緒に摂ることで吸収率が下がってしまいます。食べ合わせにはくれぐれも注意してくださいね。
>>マグネシウム…オクラ・ゴボウ・ほうれん草・えんどう豆など
マグネシウムは骨や筋肉に存在し、体の中の酵素やホルモンを活性化させる働きがあります。神経や筋肉の働きを助け、細胞の働きを応援してくれるミネラルでもあります。
マグネシウムはカルシウムと共に働くことが多く、吸収する際もカルシウムと共に摂るのがオススメです。オクラとちりめんじゃこを和えれば、マグネシウムとカルシウムが一緒に摂れて便利。かつおぶしを加えれば、風味もアップします。冷奴の上に乗せれば、植物性たんぱく質も摂れるので、一石二鳥ですね。
>>マンガン…ショウガ・しそ・バジル・ひよこ豆など
マンガンは、骨や関節などの結合組織を合成するのに欠かせない栄養素。新陳代謝をさかんにするホルモンのサポート役としても働きます。そのため、不足すると発育不良やホルモンバランスの低下などの恐れもあります。
しそやバジルといった香味野菜に多く含まれています。苦手な子供もいるかもしれませんが、うまく料理に活かしてあげたいものですね。
栄養バランスは、トータルで考えればOK!
成長期に意識して摂りたい栄養素を紹介しました。「こんなにたくさん栄養が必要なんて!」「野菜たっぷりのおかずって、つくるのが大変……」と感じた方もいるかもしれませんね。子供が長い一生のうちで、大きくなれるのは「成長期」を中心とした一時期だけ。基本的にはお母さんが頑張って、栄養バランスのとれた食事をつくってあげてください。
ただし、お母さんに過度な負担がかかったり、ましてや健康を害してしまったりしては、意味がありません。「今日は忙しくて、丼一品を作るだけで精一杯」「体調が悪いので、あれこれつくる元気がない……」ということもあるでしょう。
毎食必ず栄養バランスを整えるのは、大変なことです。一日の食事の中でトータルに、むずかしければ一週間という長い目で見て、栄養バランスを整えてあげましょう。野菜をしっかり使いつつ、サプリメントの力もうまく借りながら、育ち盛りの子供の食生活をサポートしてあげてくださいね。
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