子供がスポーツするなら!絶対知っておきたい「たんぱく質不足」の弊害とは?
運動のパフォーマンスを上げるためには、練習はもちろんのこと、日々の食生活が大切。特に、たんぱく質の重要性が語られることが多いですよね。こどもがスポーツをするなら、「なぜたんぱく質が大切なの?」「たんぱく質が不足するとどうなるの?」といった点を頭に入れて、必要十分量のたんぱく質を摂らせてあげたいものです。
では、たんぱく質が不足すれば、ジュニアアスリートにとって、どのような弊害が起こるのでしょうか? 2つのポイントを取り上げて、併せて摂りたい栄養素についても解説します。
運動すると、どれぐらい「プラスα」のたんぱく質が必要?
多くの一流アスリートが、食事を重要視していることからも分かるように、運動と栄養とは密接な関係があります。
人間は約60兆個の細胞からできていますが、その細胞をつくっているのは“日々の食事で食べた物”。食事に気を遣うジュニアアスリートと、まったく気にかけないジュニアアスリート。その差は、どんどん広がっていくことが想像できますよね。
特にアスリートの場合、「たんぱく質をしっかり摂りましょう!」という情報を見かけることが多いのでは?たんぱく質は、炭水化物や脂質と共に、「三大栄養素」と呼ばれる重要な栄養素。運動する場合、どれぐらいプラスαのたんぱく質が必要なのか、知っておきたいものです。
ジュニアアスリートにとって、必要なたんぱく質量を知るために、『新版コンディショニングのスポーツ栄養学』(樋口満編著・市村出版)をひもといてみましょう。
編著者の樋口満さんは、国立栄養研究所(現 独立行政法人国立健康・栄養研究所)の研究員・同研究所の室長や部長を経て、2003年から早稲田大学 スポーツ科学学術院教授として活動中。同書では、スポーツ科学や栄養学の専門家と共に、スポーツパフォーマンス向上につながる食生活について、さまざまな情報を紹介しています。
同書によれば、運動量別のたんぱく質の必要量は次の通りです。
<運動時の体重1キログラムあたりのたんぱく質必要摂取量(グラム)・1日あたり>
・活発に活動していない人・・・・・・・・・・・0.8グラム
・スポーツ愛好者(※1)・・・・・・・・・・・0.8~1.1グラム
・筋力トレーニング(維持期)・・・・・・・1.2~1.4グラム
・筋力トレーニング(増強期)・・・・・・・1.6~1.7グラム
・持久性トレーニング・・・・・・・・・・・・・・・1.2~1.4グラム
※1:週に4~5回30分のトレーニング。
たとえば、文部科学省が実施している「学校保健統計調査」(平成26年度)によれば、16歳男子の平均体重は60.7キログラム。運動量別に見るたんぱく質の必要量は、次のような数値になります。
・活発に活動していない子供・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48.6グラム
・持久性トレーニングをしている子供・・・・・・72.8~85.0グラム
一日あたりの差にすれば、「24グラム~36グラム」ということですね。さらに、鶏むね肉(皮なし)に換算してみましょう。
鶏むね肉の1枚あたりの重さを約200~300グラムとすると、含まれるたんぱく質量は、約39~54グラム。ということは、1日当たりのたんぱく質量の差を補おうとすれば、かなりざっくりですが「鶏むね肉1枚弱分」と言えます。
これを多いと見るか少ないとみるかは、人それぞれでしょう。ただ、1日あたりの差は微々たるものでも、積み重なれば大きな差につながります。たんぱく質が十分に補えない食事が続くと、「長期的には、たんぱく質不足が慢性化する」と言えそうですね。
たんぱく質の摂取量が足りなければ、どんな弊害がある?
では、たんぱく質が不足すると、一体どうなるのでしょうか?具体的に、どのような弊害が想定できるか、見てみましょう。
>>1:筋肉をつくる材料が不足する
たんぱく質はご存じの通り、筋肉をつくる材料です。いくら筋力を鍛えるトレーニングを頑張っても、土台となる筋肉が少なくては、思うようにパワーアップできません。筋肉の材料となるたんぱく質を、十分に摂らせてあげたいものですね。
ちなみにたんぱく質は、アミノ酸が結合することでつくられています。たんぱく質を構成するアミノ酸は20種。そのうち、筋肉づくりをサポートするためには、特に「BCAA」(分岐鎖アミノ酸)を摂ることが大切です。
BCAAとは、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」という、3つの必須アミノ酸を合わせたもの。人間の筋たんぱく質を構成する必須アミノ酸の中で、BCAAはとても重要な存在。筋たんぱく質のうち、なんと約35%も占めているそうです。
注意したいのが、BCAAは体内ではつくられない「必須アミノ酸」だということ。筋肉の材料を十分に身体へ送り込むためにも、食事からこまめに摂取する必要があるということですね。
BCAAが含まれる代表的な食材は、次の通りです。
・バリン・・・・・・・・・・・・・牛肉、落花生、ゴマなど
・ロイシン・・・・・・・・・・・ハム、レバー、牛乳など
・イソロイシン・・・・・・・牛乳、鶏肉など
これらの食材を取り入れながらBCAAを補い、筋肉づくりをサポートしてあげましょう。
ただしBCAAを効率よく活かすには、効率よく吸収する必要があります。そこで意識したいのが、吸収に最適と言われている「バリン:ロイシン:イソロイシン=1:2:1」という比率です。
ジュニアアスリート用サプリメントの中には、この黄金比を守ったBCAA配合サプリメントも販売されています。筋肉づくりのためにも、必要に応じて活用するといいですね。
>>2:身長を伸ばすための「骨の伸び」が滞る!?
たんぱく質は、「身長を伸ばす」上でも必要な栄養素です。一般的には、スポーツをするなら、身長が高いほうが有利。身長の伸びに関係する栄養素は、しっかりと摂らせてあげたいものですよね。
身長が伸びるというのは、実は「骨が伸びる」ということ。もっと詳しく言うなら、骨が縦方向に伸びることで、結果として身長が伸びていくのです。骨が伸びるには、当然ながら骨の材料が必要。その栄養が実は「たんぱく質」なのです。
ここまで読んで、「え!?骨というとカルシウムでは?」と驚く方も、多いかもしれませんね。
「カルシウム摂取=身長を伸ばす方法」と思われがちですが、実は間違い。なぜかというと、カルシウムは「骨を強くする」栄養素だから。子供たちの体内では、たんぱく質が骨をつくり、カルシウムが骨を強くしています。決して、カルシウムが骨をつくっているわけではないのです。
骨を伸ばし、身長を伸ばすためにも、成長期のジュニアアスリートには、必要十分量のたんぱく質を摂らせてあげましょう。ただし、もちろんカルシウムも重要です。スポーツする上で骨がもろければ骨折しやすくなりますから、同時にカルシウムを摂っておくことも大切ですね。
たんぱく質を摂るときには、ビタミンB6の同時摂取を!
筋肉をつけたり身長を伸ばしたりと、ジュニアアスリートの身体をつくる上で、重要な役割を果たすたんぱく質。普段の食生活では、「高たんぱく食」を心がけてあげたいものです。
ただし、食事でたんぱく質を摂るとき、覚えておきたいことがあります。それは、「ビタミンB6も一緒に摂るべし!」ということなんです。
人がたんぱく質を摂取すると、体内でアミノ酸という単位まで消化されます。その後、小腸で吸収され、身体に必要なたんぱく質に合成されます。摂取したたんぱく質を活かすには、「分解→合成」という過程が必要だということ。その分解・合成に必要なのが、ビタミンB6なのです。
「肉をたくさん食べた!たんぱく質を十分摂った!」と思っていても、ビタミンB6が足りなければ、分解・合成がうまく行われません。その結果、「たんぱく質は摂っているけれど、身体の役には立っていない」という事態を引き起こす可能性があるのです。たんぱく質を活かすためにも、ビタミンB6の同時摂取が大事だということが分かりますね。
ビタミンB6を多く含むのが、牛や豚、鶏のレバー、魚の赤身など。ひまわりの種やピーナッツなどの種実類にも、多く含まれます。また、魚類は全般的に、ビタミンB6含有量が多め。同時にたんぱく質を摂ることができますから、積極的に食べさせてあげましょう。
特にマグロは、ビタミンB6が多く含まれる食品です。ただし、日本で消費されることの多いメバチとキハダマグロよりも、クロマグロとミナミマグロのほうが、ビタミンB6を豊富に含んでいます。マグロを選ぶときには、意識してみてくださいね。
たんぱく質の有効活用法を、おさらいしよう!
身体づくりに欠かせないたんぱく質を、有効活用するためのポイントを解説しました。もう一度整理してみましょう。
・特に筋肉づくりをサポートする必須アミノ酸BCAAを、理想の黄金比で摂取する
・たんぱく質によって伸びた骨を丈夫にするため、カルシウムもしっかり摂る
・体内でのたんぱく質の分解・合成時に必要な、ビタミンB6も同時に摂取する
つまり、たんぱく質を活用して身体をつくるには、たんぱく質を摂るだけではダメ。たんぱく質の中でも「必須アミノ酸BCAA」を、しかも比率も意識しながら摂り、「カルシウム」「ビタミンB6」も併せて摂ることが重要だというわけですね。
もちろん食生活から栄養を摂ることが基本。ただし、食生活で摂るのがむずかしいなら、サプリメントを活用するのも一つの手でしょう。
たとえば、ジュニアアスリート用に企画開発されたサプリメント「わんぱくダッシュ」。このサプリメントは、「必須アミノ酸BCAA」をバランスよく含み、「カルシウム」「ビタミンB6」も配合。成長期のジュニアアスリート向けにつくられており、安心の国内製造、国産の栄養補助食品です。
納得のいく結果を残すためには、日々の栄養摂取が大切!栄養管理の行き届いた食事と、足りないものを賢く補うサプリメントの合わせ技で、コツコツと必要な栄養を摂り込みたいものですね。
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