熱中症の引き金に!?「夏バテ」の基礎知識を再確認しよう
夏になると心配なのが、激しい暑さによる子供の熱中症ですよね。加えて注意しておきたいのが「夏バテ」です。夏バテするのは、大人だけではありません。暑さによって疲れが蓄積すると、子供も夏バテの状態に。基礎体力が落ち気味になり、熱中症にかかりやすくなってしまいます。
ちなみに、「夏バテ」という一言でくくられてはいますが、夏バテにはさまざまな症状があります。どのような症状があり、何に注意する必要があるのでしょうか?主な症状や原因を見ながら、夏バテの基礎知識を確認しておきましょう。
夏バテとは?主な症状をチェックしよう
いつも元気いっぱいの子供が、食欲が落ちて大好物のハンバーグを残したり、テレビで大好きな番組が流れているのに、ゴロゴロ寝転んでみようともしなかったり……。まだ体力が十分でない子供が暑さのダメージを受け、ぐったりしている様子を見ると、親としては心配ですよね。
このように、「なんとなく体調が悪い」「食欲がない」「熱っぽい」など、夏に起こる不調を総称して、「夏バテ」と呼び、主な症状は次の通りです。
・全身の疲労感(ダルさ)
・食欲不振
・熱っぽい
・無気力感やイライラ
・吐き気や嘔吐
・立ちくらみ
・下痢や便秘
夏バテは病気ではないので、激しい痛みや重大な症状を伴うわけではありません。ですが、「なんとなくしんどい状態」が続くのは、しんどいもの。しかも夏バテを放置すると抵抗力が落ち、熱中症の引き金にもなりかねません。「たかが夏バテ」と思わず、きちんと予防対策を立ててあげたいものですね。
暑さを感じると、身体はどう反応する?
それでは、なぜ夏バテが起こるのでしょうか?そのメカニズムを知るためにも、まずは暑さを感じたときに、身体がどう反応するのかを見てみましょう。
人間の身体には、常に体温を一定に保とうとする「体温調節機能」が備わっています。暑いときには熱を放して体温を下げようとしますし、逆に寒いときには熱の放出を防ぎ、体温が下がらないようにします。この優れた仕組みがあるおかげで、私たちは気温の変化があっても、柔軟に対応することができるのです。
体温が急激に上昇すると、私たちの身体には頭痛やめまい、意識障害などが起こり、最悪の場合は、死に至ることもあります。そこで暑いときには、体温の急激な上昇にストップをかけるべく、身体が必死に「防御策」をとっています。どのようなことが行われているのか、2つの主な働きを見てみましょう。
>>1)「血管の拡張」による皮膚表面からの放熱
体温が上がり始めると、脳がその変化を察知。皮膚の血管をぐっと広げます。すると、血管の表面積はどうなるでしょうか?それまでと比べると、大きくなりますよね。すると、「血管の表面近くを流れることができる血液量」が増えますし、そもそも「血管内を流れる血液の量」も増えます。要は、体外に熱を逃がしやすくなるのです。
また、さらに熱を逃がしやすくするために、血液を身体の表面に集中させます。できるだけ体外に近い表面に血液を移動させることで、熱を効率的に逃がそうとするんですね。
>>2)「汗の気化熱」による放熱
もう一つ、体温を下げるために行われるのが「発汗」です。
汗というと「ベタベタする」「服がぬれるのでイヤ」など、不快だと感じる人も多いでしょう。でも、汗は乾く過程において、身体から熱を吸収しています。だから、暑ければ暑いほどたくさん汗をかくのは当然のこと。大量の水分が蒸発することで熱をしっかり吸収し、体温を下げようとしているんですね。
夏バテが起こるメカニズムとは?
暑さを感じたときに、身体がどう反応するか、お分かりいただけたと思います。これらの活動には、かなりのエネルギーが消費され、身体には大きな負担がかかります。この疲れこそが、夏バテで感じるダルさの正体なのです。
また、放熱を行うためには、血液が皮膚表面に移動します。すると、どのような変化が起こるでしょうか?身体の中を流れる血液量は、基本的に一定です。身体の表面、つまり「外側」に血液が集中すれば、「内側」の血液が普段と比べて減ることに。内側というと……そう!胃や腸をはじめとした、内臓があるあたりですね。
食べ物が身体の中に入ると、胃や腸などの消化器官にたくさんの血液が集まって、フルパワーで消化活動を始めます。昔からよく「食後すぐお風呂に入ってはいけない」と言われますよね?あれはなぜかというと、食後は消化器官に血液を集める必要があるからなんです。
もし食後すぐに入浴すると、皮膚の末梢血管が広がって、皮膚表面にたくさんの血液が集まってしまいます。すると、消化器管のほうへまわる血液量が減り、胃や腸の運動が抑制され、消化吸収活動が弱まってしまうのです。
暑さを感じたときにも、同じ現象が起こります。本来は消化器官に血液を集めたいのに、熱を放つことが優先されて、身体の「外側」に血が集中してしまうんですね。すると消化器官の機能が落ちてしまうため、食欲が低下してしまいます。消化不良によって下痢などの症状もあらわれるのです。
また、食欲がなくなって十分に食べられなくなると、身体がエネルギー不足になります。体温調節にも疲労物質の除去にもエネルギーは必要です。体温がうまく保てず、疲れもどんどん溜まり、より食欲が落ちて、ときにはおなかも壊して……という悪循環に陥ってしまうんですね。これが、夏バテ発生のメカニズムというわけです。
夏バテを防ぐには?すぐに始められる2つの対策
夏バテを防ぐには、どのような対策をとればいのでしょうか?代表的なものを2つ紹介しましょう。
>>1)適度な昼寝
夏休み中の子供たちはつい、「夜ふかしの朝寝坊」に陥りがちです。でも、夏の身体は大忙し。体温調節を行うために、想像以上にエネルギーを消費しています。知らない間に溜め込んでいる疲れから回復するためには、やはり睡眠が有効です。
夜に十分な睡眠時間をとっているつもりでも、暑くて実は熟睡できていないことも多々あります。適度な昼寝をして、体力を回復させてあげましょう。
>>2)温かい(もしくは常温の)飲み物
暑いときは、キンキンに冷えた飲み物を一気に飲みたくなりますよね。ところが、冷たい飲み物は胃に負担をかけ、胃の働きが弱まる原因に。夏バテを引き起こすので、できるだけ避けたいものです。
また、冷たいジュースもなるべく飲まないほうがベター。糖分が多く含まれているため、飲みすぎると空腹を感じにくくなります。すると、肝心な食事が十分に食べられないようになり、栄養不足になってしまうのです。
そこでオススメなのが、常温の麦茶やほうじ茶。本当は温かいほうが胃への負担は軽減しますが、暑い夏に子供に暑いお茶を……というのも、むずかしいですよね。熱くはなくともぬるめの、むずかしければ常温の飲物を飲ませてあげましょう。
たかが夏バテ、されど夏バテ。放置すると悪循環に陥り、熱中症を引き起こす原因にもなってしまいます。夏バテが起こるメカニズムを理解した上で、しっかり予防対策をしてあげてくださいね!
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