実は遺伝はあまり関係ない！両親仲がいいと背が伸びる！？

昔から、「身長は遺伝で決まる」と言われてきました。「自分が小さいから、子供の背が伸びなくても仕方ない」と、半ばあきらめている保護者さまもいるかもしれません。中には、「自分の背が低いせいで……」と、ご自分を責めている保護者さまもいるかもしれませんね。ところが最近の研究によると、「身長に遺伝はあまり関係ない」ということが分かってきているんですよ。

そこで今回は、「本当に遺伝は関係しないの？」「じゃあ、どんなことに気をつければいいの？」など、身長を伸ばすために知っておくべき基礎知識をお伝えします。

意外と小さかった！身長における遺伝の影響

「身長を決めるのは遺伝だ！」という考え方が、日本では広く知られています。ところが実は、あまり遺伝を気にする必要はありません。もちろん個人差はあるものの、身長の伸びにおける遺伝の影響は小さめ。数字でいえば、25％ほどしかないんですよ。

ということは、本当に意識すべきは、むしろ残りの75％。「成長期をどう過ごすか？」という後天的な要因のほうが、ずっと重要なんです。

後天的な要因において重要なのが、「食事」「睡眠」「運動」の3大要素。しっかり体を動かし、よく食べて、よく眠る。基本的なことを大事にすることで、背はちゃんと伸びていきます。

よく考えてみると、「あのお宅のご両親、どちらかと言えば背が低い方なのに、お子さんはとっても背が高い！」なんていうケースもありますよね。また、昔の日本人の平均身長と比べて、いまの平均身長はずいぶんと高くなっています。最近では、小学生でも大人並の体格の子も増えてきました。もし遺伝だけが影響しているのであれば、そんなことはありえませんよね。

だから、保護者さまの背が低めであっても、あきらめないで大丈夫。伸びざかりの時期に、きちんと3大要素を意識した生活を送らせてあげましょう。

キケン！身長の伸びを阻害するストレスとは？

身長を伸ばす上で、もう一つ気をつけてあげなくてはいけないことがあります。それは、「余計なストレスを感じさせない」ということ。背が伸びるためには、リラックスしていることも重要。
精神的に苦しんでいると、あまり身長は伸びないのです。

もちろん虐待や暴力は論外ですが、無視することもキケン。子供は愛情を感じなければ、ストレスを感じます。ストレスの悪影響は実にさまざま。食欲の減退や情緒不安定、睡眠障害など、数えだすとキリがありません。さらには成長ホルモンの分泌が減ることで、背も伸びなくなるんですよ。

とはいっても、さじ加減も大切です。わが子を大事に思うばかりに、過剰な期待を押し付けたり、干渉しすぎたりするのはNG。構いすぎることでストレスを感じるケースも。その結果、背が伸び悩むおそれがあるのです。

当然ながら、子供との接し方に正解はありません。常に子供の状況を見ながら、精神的にリラックスできる環境を作ってあげたいものですね。

ホント？離婚が子供の身長をストップさせる！？

いま見てきたように、子供はストレスに敏感。家庭環境や生活環境によって精神状態が変化し、身長の伸びを左右します。

たとえば問題になるのが、“両親の離婚”。子供にとって、大好きな両親の離婚は大きなストレスに。「両親の離婚を機に、背の伸びが落ちた」「環境が安定して生活に慣れてくると、また伸びだした」というのもよくあるケースです。また、ぜひ気をつけてあげたいのが“いじめ”。いじめられたことがストレスになり、身体の成長に支障をきたすこともあるんですよ。大人が思う以上に、身体と心は強く結びついているんですね。

保護者さまの願いは、大切なわが子が心身ともにすくすく育つこと。ストレスに敏感な子供に、余計な負担がかからないようにしてあげましょう。大人の目で状況を見極めて、のびのびと過ごせる家庭環境や生活環境を整えてあげたいものですね。

保護者さまが笑えば、子供も笑う！

今回は、「身長が伸びるためには、後天的な要素が大切」ということをお伝えしました。「遺伝神話ってウソだったんだ！」とほっとした方も多いのではないでしょうか？

遺伝の影響は、もちろんゼロではありません。ただし、「遺伝だから仕方ない」とあきらめる必要はないのです。身長の伸びを主に決定づけるのは、後天的な要素なんですから。

そのためにも大切なのが、「食事」「睡眠」「運動」という3大要素。成長期は限られています。肝心な時期にこの3大要素がそろうように、改めて子供の生活を意識してあげましょう。さらには、リラックスできる環境作りも大事です。ご両親がいつも笑顔で接してあげることが、身体作りにおいても意外と大切。背を伸ばす上で大切なのは、「遺伝よりも、両親の仲の良さ」と言えるかもしれませんね。