意外と知らない熱中症!全ての子供に迫る深刻な危険!
熱中症というと、「真夏」「炎天下」「長時間」というイメージではないでしょうか?きっと、「うちの子は、あまり外で遊ばないから大丈夫」と思っている保護者さまも多いことでしょう。ところが熱中症は、もっと身近なもの。「さほど気温が高くなくても」「室内でも」「ごく短い時間でも」起こりうるのです。
意外と起こりやすいだけではなく、重度の熱中症は「致死率30%」に至るというデータもあります。まずは「熱中症とは何か?」をきちんと知りましょう。正しい知識を身につけて、子供を危険から遠ざけてあげてくださいね。
熱中症とは?そういえば「日射病」とは別物?
子供時代のことを思い出してください。太陽がギラギラと照りつける、暑い真夏。勢いよく家を飛び出そうとすると、「日射病になるから帽子をかぶって行きなさい!」と、親から注意されて……。そんな思い出を持つ保護者さまも、きっと多いのでは?
ところが近年では、日射病という言葉をあまり聞かなくなりました。その代わり、盛んに取り上げられるようになったのが、「熱中症」という言葉。そもそも熱中症とは何でしょうか?日射病とは、同じものなのでしょうか?それとも、違うものなのでしょうか?
まずは熱中症について、「基本のき」を確認しましょう。
熱中症とは、身体の熱をつくる働き(熱産生)と、熱を逃がす働き(放熱)のバランスが崩れ、体温が異常に上昇してしまう状態の総称です。
人間の体温は、ほぼ一定に保たれるようにできています。たとえば、心臓や肝臓などの内臓が動いたり、筋肉が動いたりすると、私たちの身体の中では熱が発生(熱産生)します。ところが、その程度が過ぎれば、熱が余りがちに。「平熱を保つために、熱を逃がそう!」と脳が判断。より外気に近い皮膚表面に血液を集中させたり(熱伝導)、発汗させたりして、溜まりすぎた熱を体外に出す(放熱)のです。
これらの一連の流れは、普段は身体が勝手に行ってくれています。ただし、このバランスが崩れて熱が余りがちになることも。それが「熱中症」を引き起こすのです。「じゃあ、日射病とは?」を説明する前に、続いては熱中症の分類についてお話します。
熱中症には4種ある!それぞれの特徴や症状は?
熱中症はさらに、症状の違いによって「熱失神」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」の4つに分けられます。一つずつ、特徴や代表的な症状を見てみましょう。
>>種類1)熱失神
直射日光の下で長時間行動したり、高温多湿の室内にいたりすると、めまいや立ちくらみなどの一時的な意識消失(失神発作)を起こすことがあります。これを「熱失神」といいます。
体温が急上昇すると、その熱を冷まそうと皮膚血管がぐっと広がります。空気に触れる面を少しでも大きくして、熱を手放そうとするんですね。血の通り道が広がるわけですから、血管内の血液量が一時的に増加。すると、心臓が血を押し出す量が減少します(血圧低下)。その結果、脳の中を流れる血液量が減少するのが、熱失神の原因です。
>>種類2)熱けいれん
大量に汗をかくと、体内からミネラルも流れ出て、塩分(ナトリウム)濃度が一時的に低くなります。にも関わらず、水分だけを補給すると、さらにミネラルが薄まって、塩分濃度がますます下がることに。筋肉の収縮に必要なナトリウムが不足することで、足や腕、腹部の筋肉に、痛みを伴ったけいれんが起こることがあります。これを「熱けいれん」といいます。
>>種類3)熱疲労
熱がこもってくると身体は放熱しようとして、少しでも外気に近い皮膚表面に血液を集めます。運動中であれば筋肉に血液をどんどん送り込むことで、脳や内臓の血液量が一時的に減少する「循環不全」が起こります。
そこに重症度の高い脱水が加わると、身体にはかなりの負担がかかる……というのは、想像できますよね。その結果起こる脱力感や倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの全身性の症状を「熱疲労」といいます。
これが、いわゆる熱中症の中核的症状。この時点で食い止めることができるか、さらに重症化した熱射病まで進行させてしまうか?これが、無事回復するかどうかの、一つの分かれ目になります。
>>種類4)熱射病
脱水や循環不全がさらに進行すると、発汗や皮膚表面での放熱ができなくなります。すると、ますます熱がこもり、体温が40℃を越えることに。その結果、脳機能の障害による意識の混濁や昏睡、全身の臓器に障害が起こります。
これが「熱射病」で、熱中症の中ではもっとも危険度が高い症状です。熱射病にまで進展すると、たとえ適切に救急救命処置を行っても、命を落とす恐れがあります。
大切なことは、「熱射病になるまでに、症状を食い止める」ということ。めまいや立ちくらみなどの初期症状が出た時点で、適切な処置をしてあげましょう。高温の環境下で激しい運動をするなど、条件次第では短時間で発症することもあります。くれぐれも注意が必要です。
……ここまで書くと、お気づきの方もいるのでは?「日射病」は、熱射病と名前がよく似ていますよね。実は日射病とは、熱射病の中の一種。直射日光を浴びたことがきっかけで起こるものを取り上げて、「日射病」というのです。
日射病は、「真夏のギラギラとした日差し」が原因ですが、熱中症という広い捉え方をすれば、原因や起こる環境はさまざま。室内でも起こりますし、実は夜間でも起こります。子供の健康状態には、細心の注意を払ってあげたいものですね。
初期症状を見逃さない!重症度を見極めよう
熱中症の初期症状は、めまいや手足のしびれなど。何らかのサインが現れます。ところが、「暑さでぼーっとしているだけでは?」「大したことないから、大丈夫!」などと、見落とされることも。でも、放っておくと命に関わる症状に発展することもありますから、油断は禁物です。
というのも、体温の上昇は「想像よりずっと短時間のうちに」「深刻なダメージを」与えるため。人体を構成しているのは、たんぱく質ですよね。たんぱく質は熱に弱い性質があり、簡単に変性します。ゆで卵を想像すると、分かりやすいでしょう。生卵だとあんなにトロトロなのに、湯にかけると、あっという間に凝固しますよね。そして一度固まると、どんなに冷やしても生卵に戻ることはありません。
人間の身体と生卵を比べるのは、やや乱暴な比較かもしれません。ただ、どちらもたんぱく質という成分からできているのは、まぎれもない事実。早いうちに症状の度合いを見極めて、適切な処置をすることが重要です。
なお、「熱中症を症状別で分けるのではなく、緊急度で分けましょう」として、2001年に日本神経救急学会が新ガイドラインを提唱。現在では、従来の症状別の分け方を「旧分類」、重症度をもとに三段階に分けたものを「新分類」と読んで区別しています。
【新分類】
・I度(軽症):
めまいや大量の発汗はあるが、意識障害はない。その場での応急処置で対応可能。
・Ⅱ度(中等症)
頭痛や吐き気、集中力や判断力の低下がみられる。速やかに医療機関の受診が必要
・Ⅲ度(重症)
入院して、集中治療を行う必要がある意識障害やけいれん、体温の異常上昇(40℃以上)などの症状が出てきます。脳細胞に障害が出る恐れもあり、キケンな状態といえる。
大切な子供を守るためにも、初期症状を見逃さず、重症度を見極めてあげましょう。
実は室内も危ない!「室内熱中症」「夜間熱中症」に注意
ところで、意外なところにも、熱中症の危険が潜んでいるのをご存じでしょうか?特に注意したいポイントを、3つ紹介します。
>>ポイント1)地面近くの温度に注意!
地面に近いほど熱の影響を受けやすくなります。背の低い子供は、大人よりもずっと、体感温度が高いことも。子供が散歩するときには、地面近くの温度にも気を配ってあげましょう。
>>ポイント2)室内でも油断は禁物!
「炎天下の屋外にいなければ大丈夫」と思いがちですが、実は誤解。室内でも熱中症にかかりますし、「室内熱中症」という言葉もあります。部屋の気温や湿度が高く、通気性の悪い場所が、熱中症が発症しやすいポイント。直射日光が当たるリビングや、蒸し暑くなるバスルームは特に、こまめに風を通しておきましょう。
>>ポイント3)眠る前には、コップ一杯の水を!
室内熱中症のうち、特に夕方から明け方にかけて発症する熱中症を「夜間熱中症」といいます。最近では、気密性の高い住宅が増えました。そのため、夜になっても室温が下がりにくく、睡眠中に汗をかいて水分が大量に失われることで、熱中症を引き起こします。練る前には必ず、水を飲ませてあげましょう。パジャマやシーツも、吸湿性や通気性の高いものを選んであげてくださいね。
大事なお子様の安全を守れるのは、保護者さまだけです。温度や湿度の管理、外出時や就寝前などの水分補給などで、熱中症の危険から守ってあげてくださいね。
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